ノートとペン 今週の「コジマ式 先行経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第81話なぜ、社長の指示を社員は見過ごすのか

指示をした、と社長は思う スローガン、と社員は思う
第81話:「なぜ、社長の指示を社員は見過ごすのか」(指示をした、と社長は思う スローガン、と社員は思う)

 

「社員に何度指示しても、返事だけ。実行しないんですよ…」
 

こう悩む社長は多いものです。コンサルティング先のM社長もそのお一人でした。
 

なぜ、実行されないのか。この原因は明らかです。はやい話、社長の指示が伝わっていないからです。
※参考:第17話「できる社長は知っている。指示命令が実行されない理由」
 

客観的にみれば、

< 指示をした、と社長は思う。スローガン、と社員は思う >

といった状況になっているだけなのです。
 
 
 

なぜ、こうなってしまうのか。この原因は、立場と経験の違いにあります。
 

社長は、自社の全体像が見えています。そして、自分の事業ですから、目的も明確です。一人二役、三役…で、事業を推進してきました。だから、方向性を示したり、判断基準を示したりするだけで、何をやるべきか、自分で考えて実行に移すことができます。
 

一方、社員は、自社の全体像が見えていません。そして、雇用される側ですから、目的もさまざまです。自分の担当業務に限り、作業をしてきました。だから、業務フローや各業務の手順が明確でなければ、なかなか実行に移すことはできません。
 

つまり、社長は明確に指示をしたつもりでも、社員はスローガンを聞いたとしか思っていません。指示ではなく、単なる標語として認識しているのです。
 

例えば、社長が営業担当者に「○○社に提案している新規案件の○○、確実に受注できるようフォローしておけよ!」と伝えたとしても、理解されません。「新規案件を受注しよう!」「顧客フォローが大切!」というスローガン程度にしか思っていないのです。
 

社長は、社員に明確に伝えなければなりません。指示は具体的に。さらに、相手がどれだけ理解しているか、確認しなければなりません。手間がかかるのです。
 
 
 

「そんな面倒なことやってられない…」
 

社長が1~10まで具体的に指示するなんて、効率が悪いし限界もある。新人、若手社員に伝えるのは幹部社員の仕事。そういった立場だし、処遇も配慮している。だから、幹部社員には、方向性を示すだけで実行してほしい。こう考える社長も多いことでしょう。
 

そこで、社長は幹部社員に自ら考えて行動に移してもらおうと思います。そして『質問』をして考えるきっかけをあたえます。しかし、これも逆効果です。社長は『質問』のつもりですが、社員は『詰問』だと思っているからです。
 

『詰問』におびえて凹んでしまうか、口ばかり達者になりその場を切り抜けるか、いずれにせよ行動に移すことなく終わってしまいます。
 

こうならないように、仕組みで仕事が回るようにするのです。仕組みづくりが重要です。まずは、各部門の役割や責任を明確にしたり、業務フローや各業務の手順を明確にしたりしてください。
 
 
 

「仕組みの大切さはわかっていても、なかなか進まなくて…」
 

M社長もこの点で悩んでいました。この原因も明確です。往々にして、全てを仕組み化しようとしたり、複雑な業務をそのまま仕組み化しようとしているからです。だから上手くいきません。
 

また、幹部社員といっても、実際は長年その業務を努めてきた一人の担当者です。仕事がブラックボックス化したまま、若手社員に引き継げていないことでしょう。本人も経験則でできているだけです。言語化したり、体系化したり、シンプルな構造に見直したりする能力は十分ではありません。
 

だから、仕組み化する範囲を絞らなければなりません。範囲を限定し、シンプルな業務にしてから仕組み化するのです。
 

どこに絞るのか。それは、業績を創造する仕事にしぼるのです。成果も見えやすいですし、仕組み化するプロセスや、仕組みを活用するプロセス、仕組みを更新するプロセスで社員も育ちます。
 

< 指示をした、と社長は思う。スローガン、と社員は思う >
 

繰り返しお伝えしますが、これが実態です。社長が指示をしても、社員が動かない。この認識は誤りなのです。
 

実は、社長に「そろそろ、指示が伝わる工夫や仕組みづくりに本腰を入れるタイミングですよ」とメッセージが届いているだけです。だから、こう悩んだときほど、新たな仕組みづくりに着手するタイミングです。
 

M社長にもこの一連の説明をして、コンサルティングがスタートしました。今では、仕組みで回る部分、先輩社員が後輩社員に教える部分、適切に考えさせる部分、それぞれが機能し始めています。そして、社長が示した方向に沿って、社員が協力して行動しはじめています。
 

大手企業は、各社スローガンを掲げてそれを浸透させる取り組みをしています。この前提には、そもそも仕事が回る仕組みがあるのです。
  

我々、中小企業は、発展途上の組織です。仕組みがない中でスローガンを掲げても、上手く回りません。まずは、範囲を限定して仕組みづくりに着手しましょう。次は御社が構築する番です。
 

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