ノートとペン 今週の「コジマ式 変革経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第56話実現する社長 と 妄想で終わる社長 の違い

立てて満足、今年の抱負。やって堅実、今年の目標。
第56話:「実現する社長 と 妄想で終わる社長 の違い」(立てて満足、今年の抱負。やって堅実、今年の目標。)

 
 

「新年祝賀式では、今年の抱負を語り合うんですよ。これがいいんです」
 

理想の将来を思い描くことからはじまる。そして、夢を語り、夢を実現していく。毎年の恒例行事の様子を、D社長は小島に教えてくれました。
 

<一年の計は元旦にあり>
 

今年はどのような年にしていきますか。
 

年末年始の過ごし方は、人それぞれです。ご家族でのんびりと休日をお過ごしの方もいれば、仕事が繁忙期という方もいます。あえて時間を確保し、事業戦略を練り直す社長様もいることでしょう。
 

これから1年をどのように過ごしていくのか、ご自身なりに見つめ直すタイミングです。
 

「どうせ三日坊主で終わってしまうから…」
 「毎年、抱負を立てるまではいいのですが、実行がともなわず…」
 「最近は、今年の抱負を立てていないんですよ…」
 

という方も、いるかもしれません。
 

どのようにとらえていても、今日から新たな一年がスタートします。そして、どのような立場であったとしても、平等に時間が与えられます。
 

2019年。あなたはこれから1年どのように過ごしますか。
 
 
 

■1.立てて満足、今年の抱負
 

「新年の抱負。立てるだけで実現しなければ意味がない」
 

とおっしゃる方もいますが、本当にそうでしょうか。折角立てた抱負ですから、実現するに越したことはありません。ただ、中々実現しないからといって、抱負を立てても意味がないというものでもありません。
 

立てて満足、今年の抱負。
 

まずは、抱負を立てることに意味があります。なぜなら、自社や自分自身を律する一つの節目になるからです。特に、新年や新年度を迎えるタイミングはそうです。他にも、創立記念日、入社式、半期や四半期の区切りなど、会社にはさまざまな節目があります。
 

この節目を設ける価値は大きく二つあります。
 

一つは、しなやかさを強さの両立を図れることです。
 

竹をイメージするとわかりやすいでしょう。強風や豪雪のなかで、しなやかに曲がり耐えることができます。また、引っ張り強度は同じ円柱状の構造物よりも数倍強いく、さらに軽い。そして、少ない養分ですばやく成長し他の樹木よりも生存競争を有利に進めることができます。このような竹は、古くから建築物や生活用具にも活用されています。高機能を果たす素材で、節目はその重要な要素となっています。人の内面でも同じような効果があるととらえてみてください。
 
 

二つめは、根本的に見直す貴重な機会になることです。
 

目的に沿った目標を立案し、実行計画を立てて実行していく。実行の段階では、マネジメントサイクルを回しますが、進捗に応じて軌道修正をすることになります。このとき、毎日、毎週、毎月といったタイミングでは、微調整レベルの軌道修正になります。しかし、今年の抱負というような限られたタイミングでは、中長期的な視点から目標そのものを設定し直したり、戦い方のルールを変えたりするような、根本的に見直す貴重な機会になります。
 
 

小島自身、1年前の年末年始に「社名変更」を決断しました。事業の根幹に関わるような大胆な決断は、節目を活用することで、思い切ってできるものです。日常では、なかなか難しいことです。
 

だから、立てて満足、今年の抱負。まずは、これが第一歩です。
 

さらに折角の機会なので「抱負」という漢字の意味も確認してみましょう。「抱く(いだく)」とは、心に思うこと。「負う(おう)」とは、自分が引き受けることです。つまり、自身が心に思い大切にしたい方向性で、何を引き受けるのか、責任を持つという意味合いがあります。
 

改めて2019年をどのように過ごすのか。まずは、しっかりと考え、覚悟を決めて決断してください。
 
 
 

■2.やって堅実、今年の目標
 

その上で、どうせ抱負を掲げたのであれば、実行して形にしたいものです。この実行するための工夫が不足すると、単なる妄想で終わってしまうからです。
 

工夫すべき着眼は大きく2つあります。
 
 

一つは、行動に移しやすくするために明文化することです。
 

このとき、目的・目標・それに至るプロセスの3つの要素を織り込んで明文化してください。
 

目的は、方向性が明確になるため、動機付けやブレない指針になります。そして、目標は、どこまで進むのかという目印になります。プロセスは、具体的に何をやるのかという手順になります。この3つの要素を明文化すれば、「何のために、何を、どこまでやるのか」が明確になります。
 

何をすべきか考えることと、実際に行動すること分けておく。そして、あとは実行するだけという状態をつくっておく。これが、堅実に行動に移していくコツになります。
 
 

二つ目は、自分の心に火を灯す(やる気のスイッチを押す)ことです。
 

どれだけ論理的にやることが明確であったとしても、人は感情で動く生き物です。自分の心に火を灯すことができなければ、なかなか行動に移せません。人の意思はそれほど強くないないからです。
 

それでは、どのようにしたら、自分の心に火を灯すことができるのでしょうか。自らを律することができる方は、自分の心にどう火を灯すのかを知っています。
 

しかし、貴社の社員全員が自らスイッチを入れることができるとは限りません。そのため、スイッチが入る場を設けることも有効な手段となります。
 

冒頭のD社長は、新年祝賀式という場を活用していました。年末年始の休み明け、社員のお休みモードをビジネスモードに切り替える場として、そして、社員一人ひとりの心に火を灯す場として、今年の抱負を語り合う時間を設けています。
 

そして、目的・目標・それに至るプロセスを考えるキーワードを沢山書き出すようなワークを実施しているのです。さらに、後日、来期方針や計画を立案する際の素材として活用していきます。
 

心に火を灯してから、行動に移しやすくするために明文化する。これを自社のマネジメントの仕組みとして構築しているのです。
 
 

これが、今年の抱負を実行するコツ。目標に落とし込み、堅実にやっていくコツです。
 
 
 

■3.明文化し実行するための仕組みを構築しよう
 

最後に、今年の抱負を「実現する社長」と「妄想で終わる社長」の違いは、どこにあるのでしょうか。
 

この違いは、社員を巻き込んでいるか否かです。当然のことながら、社長だけでなく、社員一人ひとりが理解を深め、行動に移さなければ実現しません。ところが現実はなかなか思うとおりにいかないのではないでしょうか。
 

<言うだけで やってくれたら ラクだけど、仕組みなきゃ 結局動かぬ 社員たち。>
 

これが実態です。
 

そこで、何らかの仕組みが必要なのです。仕組みの一つに場づくりが上げられます。目的に沿った場があれば、そこに焦点が当たり、社員のエネルギーが自然と目的の方向性に注がれるようになります。
 

御社は、社長自身が今年の抱負を社員の皆さんに伝える際に、どのような場を設けていますか? 社長だけでなく、社員一人ひとりが、自分の思いを明文化し、実行するための準備となる場、そんな場を設けてはいかがでしょうか。
 

立てて満足、今年の抱負。やって堅実、今年の目標。
 

折角の機会です。新年という節目を、御社も有効に活用しましょう。
 
 
 

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