ノートとペン 今週の「コジマ式 変革経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第53話平凡な社長と、成果をだす社長の違い

条件が整ったらやろう まずは自社で挑戦しよう いずれの思考も 貴重な機会を逸してしまう
第53話:「平凡な社長と、成果をだす社長の違い」(条件が整ったらやろう まずは自社で挑戦しよう いずれの思考も 貴重な機会を逸してしまう)

 

 

「どのような企業が、成果につながりにくいのですか」
 

弊社セミナーに参加なされたある経営者様からのご質問です。
 

弊社セミナーでは、「業績3年先行管理」の仕組みづくりと題し「企業経営のよくやる間違い」や「先行経営のポイント」もお伝えしております。
 

ご質問なされた社長様は、非常に勉強熱心な方でした。既に実践なされている点の再確認や、新たな着眼を得る良い機会になったのではと思います。
 

「先行経営で成果を出すポイントは理解できました。そこで、予め失敗する条件も把握したのです」
 

とご質問が続きました。
 

「その答えはとてもシンプルですよ。経営者の『覚悟』『決意』があるか否か。本気で関わるか否かです」
 

と小島はお答えしました。
 

前職のコンサルティング会社に勤めていたころ、実際にコンサルティングがスタートしても、あとはコンサルタントや部下に丸投げという会社がありました。こういった会社様は、総じて成果につながりにくかったからです。一方で、導入事例でご紹介するような成果をだす企業の社長様は、総じて本気だったからです。
 

(幹部社員や中堅若手社員の自立をうながすため、社長が見守るケースもあります。この場合、社長様とコンサルタントで事前にしっかりと打ち合わせをした上で、推進プロジェクトを実施すれば問題なく上手く進みます)
 

世の中には、「業績3年先行管理」の仕組みづくりをはじめ、さまざまな取り組みがあります。我々コンサルタントに依頼するケースもあれば、学びをヒントに自社で実施するケースもあります。
 

何らかの取り組みをはじめる理由は、「現状を維持し続けることへの危機感」があるからでしょう。また、「理想の将来へ成長することへの期待」が動力源になります。
 

このとき、注目すべき点は、「成果を出すためには、(良くも悪くも)変わる必要がある」ということです。
 

そのためには、現状(現状維持で何とかなるという甘え)を手放す『覚悟』と、前に進む(挑戦し試行錯誤を乗り越える意思)『決意』が必要です。
 

あまりにも当たり前のことです。「だから何なの?」と思う社長も多いことでしょう。ところが、現実は異なります。実際には『迷い』が生じ、変われなくなっている会社様が多いものです。
 

そこで、今週はこの成果をだす社長の『覚悟』と『決意』について、ご説明します。
 
 
 

■1.平凡な経営者の思考パターン
 

「社長に就任したら、ぜひコンサルティングをお願いします」
 

とご連絡をいただく、後継経営者様がいらっしゃいます。将来社長に就任したときに備え、予め自らセミナーにご参加なされるケースです。勉強熱心でとても素晴らしく、とてもありがたいことです。
 

その一方で、この後継経営者様がご就任なされたとき、弊社がご期待に添えるかどうかはわかりません。この点は、少々心苦しい部分です。
 

なぜなら、既存のクライアント様がきっちり成果をだせるよう、コンサルティングに全力で関わるため、支援先がさらに増えると新規コンサルティングをすぐにお受けできないケースがあるからです。
 

また、我々は日々試行錯し、サービスのブラッシュアップをしています。経営の勝負ポイントを見極め、オーナー経営者様にさらに貢献できる関わり方を模索しているのです。そのため、弊社が次のステージに進み、同様のサービスを提供していないかもしれません。何事もタイミングがあるからです。
 

小島が20代のころです。ある貴重なチャンスを掴む勇気がなく、みすみす見逃してしまいました。その後は、そのチャンスが現れず、とても後悔しました。
 

この当時、小島はチャンスを掴むだけの筋トレが不足していたと反省し、日々切磋琢磨しなければと考えていました。
 

「条件が整っていたら、きっとチャンスが掴めたはずだ」
 

と感じたからです。この思考の前提には、
 

<条件が整ったらやろう>
 <まずは自分ができることからやろう>
 <次のタイミングがきたらやろう>
 

というものがあります。
 

実は、この思考パターンは、これまで出会ってきた平凡な経営者と共通するものです。しかし、現段階では、小島なりの結論がでています。この思考パターンでは、いつまでたっても会社は変わりません。当時の小島のように、貴重な機会を逸してしまうことになるでしょう。
 

<条件が整ったらやろう まずは自社で挑戦しよう いずれの思考も 貴重な機会を逸してしまう>
 

なぜならチャンスというのは、フットワークが重い人には優しくないからです。
 

成果をだす社長は、どのような状態であれ、常にチャンスが目の前を通過する一瞬を掴み取ります。そして、チャンスの扉の隙間に身体をねじ込み、扉をこじ開けて次のステージに進んでいるのです。
 
 
 

■2.成果をだす経営者の思考パターン
 

これまで小島が出会った成果をだす社長の皆様は、平凡な社長とは異なる思考パターンを持っていました。
 

条件が整ったり、タイミングが来るのを待つのではなく、まずは「やる」「前に進む」と決めていたのです。そして、それを実現する方法を試行錯誤しながら、成果が出る条件を確立していたのです。
 

おそらく、こういった社長だからこそ、社員もついてくるのでしょう。目に前にいる社長が、「条件が整ってから…」「次のタイミングで…」と言い訳をせず、やることを決めてしまっているからです。
 

そして、社長ご自身が「どうしたら実現できるか」という点に注力する姿は、組織の原動力になります。社長の背中を見て、社内のキーパーソンが真似をし始めます。やがて、組織全体にこの流れが広がっていくのです。
 

前に進むと決めて、ブレずに行動する。社員は、その姿を見て迷わず前に進めるのです。
 

こういった姿を見て、小島は『決めれば前に進む』ということを学びました。
 

場合によっては、「我が社には、まだ時期尚早かな?」ということもあるでしょう。
 

よくよく考えてみてください。早いか遅いかは、あくまで主観的なものです。自分が勝手に決めているだけなのです。
 

いつまでも「まだまだ早い。やるタイミングじゃない」といって、前に進まない社員をみたらどう思いますか? 「つべこべ言わず、さっさとやってみたら」とアドバイスするのではないでしょうか。
 

小島自身も、これまでの経験の中で「前に進む」と決めた瞬間から状況が変わりました。
 

会社員時代に何らかのプロジェクトに挑戦したり、コンサルティング会社に転職したり、経営コンサルタントとして独立したり、自社のサービスを絞り込んだり…、いずれも十分に準備ができていたわけではありません。決めたから前に進めただけなのです。
 

どれだけ優れた経営者も、はじめはみな初心者でした。ただ、誰よりも早く決めて、誰よりも早く経験し、誰よりも早く失敗することで上手くいく方法を見つけだしてきたのです。「まだ早い」と決めるよりも、「よしやるぞ」と決めたほうが賢い選択です。
 
 
 

■3.時間を短縮するという発想
 

成果をだす経営者には、もう一つの条件があります。
 

経営者ご自身が試行錯誤をするなかで、「時間を短縮する」という発想をもっていることです。
 

アルバート・アインシュタインの有名な言葉に、
 

「いかなる問題も、それをつくりだしたときと同じ意識によって 解決することはできない」
 

というものがあります。小島の好きな言葉です。
 

自社だけで取り組もうとする場合、どうしても自社内のこれまでの発想にとらわれてしまいます。何らかの方法で、他者の視点を持ち続ける方法を考えなければなりません。
 

そして、これだけ外部のネットワークを活用するチャンスが転がっているのに、すべてを自前主義でやる必要はありません。電力は電力会社に、配送網は運輸会社に、資材の調達は仕入先に、自社でできない部分は協力会社に…、自社の事業を考えても、いたるところで外部の力を借りているはずです。頑なに自社のみで完結させることは、無駄の極みと思うのではないでしょうか。
 

社内の仕組みづくりも、同様です。すでに経験を積んだ支援先があれば、活用してしまえば良いのではないでしょうか。
 

直前までどこかの支援を受け、いよいよ自分達のみで実施するタイミングなら、自社のみで取り組んだ方が良いでしょう。また、自社なりに挑戦し、成果が見えはじめているのであれば、自社のみで取り組むのも一つの選択です。他にも、別の取り組みに専念しているから、今回は着手しないというケースもあるでしょう。
 

しかし、何年も同じ場所で足踏みをしている会社の社長様が、「まずは自社でやってみます」とおっしゃる場合があります。このとき、小島は、「何年前から今の状況が続いているのですか?」と思わず問いかけてしまいます。
 

同じ状況がずっと続いているのに、新しいパターンを取り込まない。現状を維持しながら、いったいどのような条件が整えば、前に進めるというのでしょうか。
 

社長に就任した直後の経営者様が、まずは自身でやってみたいという気持ちも良くわかります。小島もこのタイプです。ですから、まずは自社で挑戦してみてください。これで成果が出れば万々歳です。そして、思うように成果につながらない場合は、ぜひ時間を短縮する発想を活用してみてください。
 

社長という立場は、自社の最高意思決裁者です。我が社をどのように導くのかは、経営者の決断です。良い悪いといった特定の価値はありません。どのようになっても、全てはリソースになります。
 

その上で、時間を短縮するという発想も大切にしてみてください。準備が十分整っていなかったとしても、外部の力を借りて、ちょっとしたコツを活用してみてください。
 

コツを活用すれば、どんどんチャンスが手に入るようになります。実践経験を早い頻度で積み重ね、さらに高速回転させることができます。そして、それに相応しいレベルに自社が自然と成長していきます。
 

成果をだす社長は、ここが違うのです。
 

5年、10年、20年と経過しても、「勉強になりました」「まずは自社でやってみます」という社長の会社は、もう経営者の伸びしろが限界に達しているのでしょう。
 
 

あなたは、一人の経営者として、どちらの選択をするのでしょうか。
 

自身を鼓舞し次のステージに進む選択をするのか、現状維持という名の衰退を選択するのか。
 

経営環境は、常にめまぐるしく変化しています。技術の進展で、変化の速度がさらに加速しています。変化することが前提の世の中です。
 

成果をだす社長に共通する要素は、現状(現状維持で何とかなるという甘え)を手放す『覚悟』と、前に進む(挑戦し試行錯誤を乗り越える意思)『決意』をしていることです。
 

自社の現状と理想の将来を見据え、あなたは今何を選択しますか。
 
 

追伸> 将来導入を考えている後継経営者の皆様へ

ご自身が弊社セミナーに参加なされた後、現社長様にもセミナーにご参加いただくケースがございます。そして、仕組みづくりに着手するとご決断いただき、後継経営者がプロジェクトリーダーを務める事例もございます。実際にバトンタッチをする前にこの仕組みをつくってしまうという作戦です。前もって手を打つ仕組みができるため、先代経営者も、安心してバトンを渡せるようになります。相互にとって有益な方法です。一つの手段としてご認識いただけると幸いです。
 

※当社は、付加価値戦略・先行経営を実現する時間を短縮するため「社長が心から安心できる状態をつくる【3年分 受注残をつくる経営(業績3年 先行管理の仕組み)】」を公開しております。現状を打破したい経営者さまは、ぜひ弊社セミナーご参加ください。

 

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