ノートとペン 今週の「コジマ式 変革経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第112話強い会社の意識改革 ○○なき躾は、単なる押し付け

強い会社の意識改革 ○○なき躾は、単なる押し付け
第112話:「強い会社の意識改革 ○○なき躾は、単なる押し付け」( 強い会社の意識改革 ○○なき躾は、単なる押し付け )

 

「社員に危機意識が無さ過ぎる。我が社は意識改革がなかなか進まなくて…」
 

S社長からのご相談です。
 

「意識改革が進まない最大の理由は、社長の意識にありますよ」
 

小島は結論を伝えました。
 

S社長は、先日も幹部社員を集め、意識改革の重要性をお話したそうです。 「このままではいけない」 「変化に対応しなければ存続できない」 社員に危機意識を持たせようと、これまで何度も伝えてきました。
 

社員の皆さんは真剣な表情で話を聞きます。しかし、日々の考え方や行動習慣は変わりません。なぜなら今現在、実際に会社が存続しており、社員の視点から見れば変わる理由が無いからです。
 

社長がどれだけ危機意識を煽っても、社員は挨拶レベルにしか捉えていません。挨拶として 「気合いを入れろ!」 と言われているようなもの、単なる掛け声です。
 

これは、全てS社長の責任です。なぜなら 「社員の意識が育たない原因は、社員の意識にある」 と誤った認識をしているからです。
 

人の意識は、その人の無意識に大きく影響を受けています。諸説ありますが 「無意識は意識の2万倍の影響力がある」 と言われています。
 

なぜなら、そもそも人間は動物の一種だからです。無意識、つまり人の生存本能が安全安心を求め、優先度を自動判定するからです。意識は、その判定結果に従っています。そして、もっともらしい理由を後から捏造しているのです。
 

では、強い会社の社長は何に注目しているのでしょうか?
 

この答えはシンプルです。人間の生存本能に配慮し、構造の見直しに注目しています。社員の意識に関わらず、成果に繋がる行動をうながす環境を整備しているのです。
 

つまり、仕組みづくりを最優先しているのです。
 

S社長は、社員の考え方や行動習慣を躾け直そうと、意識改革を掲げていました。しかし、仕組み無き躾は、社長の単なる押し付けだったのです。
 

< 強い会社の意識改革 仕組みなき躾は、単なる押し付け >
 

子供の躾を思い出してください。親が良かれと思って子供を叱っても、ほとんどの場合は逆効果です。子供は親に反発をするか、よい子ちゃんを演じて親の知らないところで裏切っているか、のいずれかです。
 

親の考える意識的な躾は、子供にとっては単なる押し付けです。子供が、ダラダラとゲームをしたり、動画を見たりする時間を減らすには、どれだけ注意をしてもあまり効果がありません。取り上げたりすれば、さらに反抗するようになります。
 

それよりも、ゲーム機の機能を使って上限時間を設定し、制限する意図やそのルールを子供に伝えたほうが確実です。
 

子育て上手な親は、仕組みを整えた上で子供を見守ります。そして、状況に合わせて仕組みを見直したり、さりげなく声かけをしていくのです。
 

子育てに置き換えて考えると、あまりにも当たり前のことです。ところが、会社経営では、ついつい間違えてしまうものです。社員は(見た目が)大人ですから、ついつい分かってくれるものと期待してしまうからです。
 

< できる社長は しつけて任せる マズイ社長は 押し付けて噛まれる >
 

できる社長は、仕組みを整えた上で、仕組みで社員を躾け、どんどん任せていきます。社長にとって手離れもよく、社員にとっても責任と権限が与えられやりがいを感じることができます。結果として、組織の意識改革が進みます。
 

マズイ社長は、はじめから意識改革に逃げて、社員に押し付けます。押し付けが続くと、社員は表向きには従い、裏では自己防衛を優先させます。そして、自分の身の危険を感じると「社長お言葉ですが、○○をすると会社が回らなくなりますよ」などと社長を脅したり、噛み付いたりするようになるのです。
 

御社の意識改革は、意識では何ともなりません。仕組みなき意識改革は、社長の押し付けです。
 

S社長は、自社の構造変革に向き合う覚悟を決めました。普通の社員が、普通に活躍できる仕組みをつくること。強い組織は、仕組みづくりという地盤改良からスタートしています。経営資源をどこに集中させるのか、この見極めが社長の仕事です。
 

あなたは、自社の現状を見極め、何に経営資源を集中させますか?
 

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