ノートとペン 今週の「コジマ式 変革経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第52話御社が経営戦略・営業戦略を、実現させる方法とは

世の中が 不可能だらけなら、 人間は原始時代から 進化していない
第52話:「経営戦略・営業戦略を、実現させる方法とは」(世の中が 不可能だらけなら、 人間は原始時代から 進化していない)

 

 

「我が社は製造会社(メーカー)なのに、製造部門がなくなるんですよ。ある意味チャンスだととらえています」
 

先日、小島がコンサルティングの契約に向けた打ち合わせの中でお聞きした言葉です。
 

お相手は、製造業を営むT社長。創業40年を超える会社の2代目経営者です。詳しくお話を伺うと、製造部門を任せていた責任者が退任なされるとのこと。本来であれば危機的状況のはずが、これを好機にファブレス企業に転換しようとお考えのようです。
 

見方によっては、背水の陣に追い込まれた状況です。ところが、T社長からは、悲観的な雰囲気が微塵も感じられませんでした。そして、腹を据えて理想の将来像をお話しなされました。この姿を拝見し、小島は共に歩むことを約束しました。この方となら一緒にやっていけると確信したからです。
 

経営コンサルタントにとって最高の報酬は、こういったクライアントさまとのご縁だと思っています。前に進むことを決めた経営者様とお会いし、社員のみなさんと共に、自らの力で道を切り開いてゆくお手伝いをすること。この連鎖が、社会に新たな価値を提供することになる。結果として、クライアント企業様が自社の業績を気にしなくてよいほどの安定した環境を創りだすことができる。そして、社員の家族や取引先も含め、自社に関わる皆さんの将来を支えるきっかけになることができる。小島は、これを追究したいと考えています。
 

どの経営者も、自社の将来を考えています。どの市場で、どのように戦うのか。どのような価値を提供していくのか。明文化しているか否かに関わらず、社長なりの経営戦略や営業戦略を考えています。
 

ところが、数年後、こういった戦略が実現したか否かは、異なります。確実に一歩ずつ前進し、気がつけばかつての戦略が現実になっている企業が存在します。その一方で、中期経営計画や年度方針・目標が、何年も絵に書いた餅のまま形式的に掲げられ、弱体化していくだけの企業も存在します。この違いはどこにあるのでしょうか。
 

今週は、この経営戦略・営業戦略を、実現させる方法をお伝えします。
 
 
 

■1.新たな価値はどこから生まれるのか
 

当然のことですが、製品やサービスの価値は、需要と供給のバランスで決まります。
 

コモディティ化した製品・サービスを供給している会社は、既に価格競争に巻き込まれています。日用品や生活必需品で起きていた戦いが、さまざまな分野の製品・サービスに広がっています。そして、現在ではその提供手段や方法にまで広がっています。この供給が多い立場を選択すると、付加価値は必然的に少なくなります。業界の常識どおりに製品・サービスを提供しているだけだからです。
 

このように、需要<<供給となっている業界で常識的に戦っている会社は、どれだけ努力しても先が見えています。少ない付加価値の中で、どれだけ節約しても限界があるからです。昼休み電気を消したり、裏紙を使用したり、涙ぐましい努力でコスト削減策を重ねても効果はごくわずか。組織を疲弊させてしまうだけです。根本的に戦い方を変えなければ、状況は変わりません。(※戦い方を変えた上で、風土づくりとして改善活動を浸透させることはとても良いことです)
 

それでは、新たな価値がどこから生まれるのか。言うまでもなく【 需要 >> 供給 】となる独自のポジションをとることから生まれます。
 

つまり、はみ出さないと、生み出せないのです。業界や我が社の常識から はみださないと、新たな価値は生み出せない。既存の常識にとらわれていたら、新たな価値が生み出せないのです。
 
 
 

■2.経営戦略・営業戦略を、実現させる方法とは
 

前提として経営戦略・営業戦略が、既存の常識にとらわれている限り、それは戦略ではありません。単なる改善計画です。まずは、経営者自身が業界や自社の常識からはみ出して、経営戦略や営業戦略を考えることが必要でしょう。
 

このとき、どのように付加価値を社会に提供していくのか、妄想で良いので我が社の付加価値経営戦略を自由に考えてください。経営者の大いなる勘違いが必要なのです。何かを成し遂げた経営者は、皆この大いなる勘違いからスタートしています。
 

そして、それを実現させる方法とは、社長の勘違いを本気で伝え、社員を勘違いさせることです。
 

社員は、「それは無理でしょ」と思っている限り、本気で考え行動することはありません。「ひょっとしたら実現するかも」という勘違いをすれば、本気で考え行動し始める社員がでてきます。そして、本気で考え、さらに行動しながら考えていると、何らかの突破口が見えてきます。さらに、少しずつ現実化していく中で、他の社員も「ひょっとしたら、ひょっとするかも」と勘違いをするようになります。やがて、組織全体が勘違いをすると、それは勘違いではなく現実になります。
 

つまり、大いなる勘違いから、現実は生まれるのです。ここに気がついてください。
 

< 世の中が 不可能だらけなら、人間は原始時代から 進化していない >
 

人間は驚くほどのスピードで進化しています。近年はこの傾向が顕著です。この人間が高速で進化する要因の1つに、もし○○だったらと妄想する力が影響しています。勘違いすることからスタートしているのです。
 

何十年も前の映画やマンガの世界が、現在では当たり前になっている側面があります。いずれも、はじめは「もし○○だったら」という妄想からスタートしています。
 

経営者が、良い意味で勘違いをして、それを組織に浸透させること。これが、経営戦略・営業戦略を実現させるとても重要な方法です。
 
 
 

■3.分析型のアプローチを主軸に置くことは今すぐ卒業しよう
 

有名なビジネスフレームワークは、さまざまなアプローチがあります。
※詳細は、コラム43話「我が社がフレームワークに躍らされる前に…」をお読みください
 

古典的なものに、計画戦略学派(データと分析によって合理的な経営戦略をプランすることこそが、経営の役割である)というアプローチがあります。この考え方は、環境変化が少ないという前提に成り立つ考え方です。
 

その上で、ポジショニング学派(競争市場において自社のポジションをどう取るかということが、最も有効な戦略パターンを決定する鍵である)というアプローチもあります。そもそも、需要と供給のバランスを見抜き、独自ポジションを取ることが目的ですが、往々にして分析に注力してしまうものです。
 

この分析型のアプローチは、頭で理解しやすく賛同も得られやすいので採用する会社が多いものです。実際にそれを支援するコンサルティグ会社も非常に沢山あります。近年話題になっているAIもこのアプローチを自動化させるツールに過ぎません。
 

しかし、いずれの場合も現在の経営環境では上手くいきません。なぜなら、変化の速度がはやく分析型のアプローチでは、間に合わないからです。さらに、既存の常識がベースになっているため、新たな付加価値が生まれないからです。
 

このアプローチを主軸に置くことは今すぐ卒業してください。そして、それを主導するコンサルタントからも一定の距離を保つことをおススメします。あくまで補完的に使うようにしましょう。
 

これからの時代に、人間が行う仕事は、新たな価値を創造することです。
 
 
 

■4.T社長とそこで働く皆様へ。そして、将来のクライアント様へ
 

< 世の中が 不可能だらけなら、人間は原始時代から 進化していない >
 

T社長は、自由に妄想し、良い意味で勘違いをしています。そして、社員にその勘違いを伝え始めました。
 

そして、現在は付加価値経営戦略と業績創出ロードマップを明文化しているところです。先日の打ち合わせでは、主力メンバーの中から、徐々に本気になりつつ様子が伺えました。また、それを実現するための、ヒントやチャンスが現れるようになり、一つ一つできるところから掴み始めています。
 

ご支援がスタートしたばかりで、まだまだこれからですが、1年後、3年後、T社長の会社がどのような成長をしていくのか。とても楽しみにしています。小島も最大限の支援ができるよう、引き続き精進して参ります。
 

T社長。このような貴重なご縁をいただき誠にありがとうございます。また、このような機会を手に入れたい社長様は、ぜひ弊社セミナーにご参加ください。経営者が行うべき、可能性を引き出す仕組みづくりのポイントをお伝えしております。
 

 

※当社は、経営戦略・営業戦略を実現するために「社長も社員も心から安心できる状態をつくる【3年分 受注残をつくる経営(業績3年 先行管理の仕組み)】」を公開しております。どのように良い意味で勘違いを浸透させ、付加価値を生み出していくのか。興味がある方は、ぜひ弊社セミナーご参加ください。

 

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