ノートとペン 今週の「コジマ式 変革経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第51話営業組織が目標を達成するたった一つの方法

目標【未達】型組織は、痛みを増幅させる。目標【達成】型組織は、痛みから選択する。
第51話:「営業組織が目標を達成するたった一つの方法」(目標【未達】型組織は、痛みを増幅させる。目標【達成】型組織は、痛みから選択する。)

 

「いつもあと一歩。本当は勝ち癖をつけてあげたかったんですが…」
 

先日、ご相談にこられたH社長のお言葉です。
 

H社長の会社は、この数年 “目標未達成” という状況が続いていました。前期の実績は、目標予算の95%で着地しました。今期も残り数ヶ月、現段階の着地見通しでは、前期と同様で目標予算の95%ほど。またまた未達成の見通しです。
 

「我が社の社員は、未達成に慣れてしまった。」
 

特にこの2年間は、H社長なりに配慮し、無理をしない最低限のレベルで目標予算を設定していました。「まずは一度、営業部門に目標予算を達成する心地よさを教えてあげたい。一度目標を達成すれば、営業部門に良い雰囲気が生まれる。これまでの流れを変えるきっかけになれば理想。あとは勝ち癖をつけてほしい」と考えたからです。
 

社員が工夫と努力をすれば、確実に達成できる目標。H社長はそう思っていました。しかし、ハードルを下げた目標予算にも関わらず2年連続で未達成の着地見通し…。気を落としていました。
 

「いったい原因はどこにあるのでしょう。どうしたら目標達成が当たり前になるのでしょうか?」
 

H社長は、小島にヒントを求めました。
 

今週は、このような悩みを解決するヒントとして、営業組織が目標を達成するたった一つの方法をお伝えします。
 
 
 

■1.営業組織が、目標予算を達成できない理由
 

目標【未達】型の組織が、目標予算を達成できない理由はシンプルです。それは、成果が出なかった原因を追究するからです。
 

「原因を追究しなんてありえない」と思う方も多いでしょう。理屈で考えればその通りです。ここで、追究する目的に着目してみましょう。
 

本来、未達原因を追究する目的は、原因に対策を打つことでマイナスを食い止め、目標を達成しやすくすることです。ここに異論はないでしょう。ただし、理屈どおりにいけばの話です。ところが、現実は違います。異なる判断ができるのです。大切なことなので繰り返します。
 

実際は理屈どおりにいきません。なぜなら、人は感情で動く側面が高い生き物だからです。
 

原因を追究すればするほど、人はとっさにウソをつきます。<結果の原因追究=自身の至らぬ過去の追及>と感じてしまい、自己保全に走ります。とにかく身を守ることで精一杯になります。
 

過去の事実は変えられません。過去の受け止め方なら変えられます。だから、社員は都合よく解釈します。社長の前では反省したフリをしても、本心では納得していません。自身の責任ではなく、環境や他人が悪かったことにしたほうが、安全で安心だと感じられるからです。
 

つまり、過去に焦点を当てるから社員は受け入れらない。受け入れられないから変われないのです。
 

組織全体がこのパターンにはまると最悪です。すべての取り組みが、建前で語られるようになり、社員の本音とはどんどん乖離していきます。
 

そして、根本的な原因に対策が打てないため、いつまで経っても現状は変わりません。社員は、目標を達成できなかった痛みに自ら向き合うことはありません。そして、痛みを避け続けるからこそ、何度も痛みがやってきます。そして、本質から逃げ続けます。痛みは、「いい加減気づいてくれよ」とどんどん増幅し、会社存続を危ぶむ事件として顔をだします。近年の大企業の不祥事は、ほとんどこのパターンだと推察しています。
 

目標【未達】型組織は、原因を追究するから痛みを増幅させてしまう。
 

これが、目標予算を達成できない理由です。
 
 
 

■2.営業組織が、目標予算を達成するたった一つの方法
 

目標【達成】型の組織が、目標予算を達成し続ける理由もシンプルです。それは、成果を出すアイデアを出し続け、行動し続けるからです。
 

「成果を出すアイデアを出し行動し続けるなんて、当たり前」と思う方も多いでしょう。理屈で考えればその通りです。だからこそ、この目的に着目してみましょう。
 

本来、アイデアを出して行動する目的は、新たな目標達成ルートを見つけ目標を達成しやすくするためです。ここに異論はないでしょう。こちらも、理屈どおりにいけばの話です。しかし、実際には難しいものです。だからこそ、人に注目するとコツが見えてきます。
 

繰り返しますが、人は感情で動く側面が高い生き物です。だから、この点を配慮するだけで、理屈どおりに導くことができるのです。
 

人は将来のアイデアを出そうとすればするほど、前提を外して考えられるようになります。<未来の可能性の追究=自身の現状は脇においてよい>と感じるため、自由に発想します。身を守る必要はありません。
 

既存の前提は、時代が変われば変わります。つまり、未来は自由にやり方を変えてもよいのです。だから、社員は都合よく考えることができます。もし、○○だったらと妄想し、楽しい気持ちになります。そして、それを実現するチャンスがあるとしたら、自ら関わりたいと感じています。
 

人は可能性を感じられると頑張れる生き物です。自ら納得していれば、環境や他人に身をゆだねるよりも、自己責任の意識を持って取り組んだほうが安全で安心だと感じられるからです。
 

つまり、未来に焦点を当てるから社員は受け入れられる。受け入れられるから変われるです。
 

組織全体がこのパターンにはまると最強です。すべての取り組みが、建設的に語られるようになり、本音で関われるようになります。
 

そして、気がつけば従来の状態を抜け出していることでしょう。新たな取り組みに着手するから現状を手放します。この結果、根本的な原因に対策を打ったことになるからです。ただ未来を見て、アイデアを考え実行すれば、結果として目標を達成できなかった痛みに向き合ったことになります。だから痛みを克服できるのです。
 

目標【達成】型組織は、可能性を追求するから痛みから新たな道を選択していく。
 

これが、目標予算を達成できる理由です。
 
 
 

■3.すべてはどこに焦点を当てるのか次第
 

「失敗はない、フィードバックがあるだけ」
 

12年前。小島がある勉強会で知った、素敵なものごとのとらえ方の一つです。
 

失敗があると思えば、過去の原因に焦点が当たってしまいます。失敗がないと思えば、工夫するためのフィードバックととらえ、未来の可能性に焦点を当てることができます。同じ出来事でも、自ら首を絞めるのか、自ら道を切り開くのか、180度方向性が変わります。
 

短期的に思うような成果が出なかった場合、人は痛みを感じます。すると、人の動物的な側面では痛みを避けようとします。その一方で、人の意思という側面では、痛みを乗り越えたいと思います。ところが、簡単に乗り越えることはできません。そもそも人間は動物だからです。だから、焦点を上手く使って、自分を都合よくだますのです。
 

また、その一方で痛みも大切な役割があることを認識してもよいでしょう。痛みがなければ、人は変わろうと思えません。一旦傷つくことで、人は変わるきっかけを手に入れるのです。だから、はじめは傷ついても大丈夫です。傷ついてから、焦点を変えればよいだけです。
 

痛い思いをしたときに、それをどのように使うのか。選択するのは自分です。ぜひ、変わるきっかけに使ってほしい。だから、焦点を上手くコントロールしてほしいのです。
 

自分がくじけそうになったとき、何があれば前に進むことができるのか。何か抜けきれず、今一歩頑張れないとき、何がブレーキになっているのか。
 

自社がくじけそうになったとき、何があれば前に進むことができるのか。何か抜けきれず、今一歩頑張れないとき、何がブレーキになっているのか。
 

焦点次第です。そして、自らアイデアを考え続けることは、結果として現実的な選択肢を増やすことになります。さらに、自ら選択することで前に進むことができるのです。(逆に選択肢がたったの1つの状態は、どうなるのか。つまり、誰かに一つの選択肢を強制される場合は、受け身になってしまいます)
 

冒頭のH社長に話を伺うと、自社内で頻繁に反省会を開いており、とことん原因追究をしていたそうです。そして、ハードルを下げた目標を達成するために、社長自らこと細かく指示をしていました。いわゆるマイクロマネジメントです。
 

なぜ、このようなアプローチをしてしまっていたのでしょうか。実は、高度成長期に活躍した古い体質のコンサルティング会社のアドバイスで、短期の業績管理を導入していたからです。そして、愚直にアドバイスを実行し、社内でいろいろな取り組みをしていました。
 

しかし、このポイントを押さえていなかったため、建前の議論になっていたのでしょう。ゴリゴリと社員をコントロールしようとしていたから、水面下の抵抗にあっていたのです。上手くいくわけがありません。同様のケースは、右脳を無視した左脳型のコンサル会社や研修会社、例えばロジカルシンキングに振り切ったサービスでも発生しています。
 

「H社長。どこに注力すべきなのか。焦点を間違っていましたね」
 

ふと、顔をほころばせました。小島の説明を聞き、これまで成果が出なかった理由がわかったようです。
 

「目標を達成するコツは、意外にシンプルなことなんですね」
 

穏やかな表情が印象的でした。
 

H社長の会社も、焦点を上手く設定できるとよいものです。これからアイデアを出し続け、行動し続けることができれば、結果はついてきます。楽しみながら、変化をうながすこと。原因ではなく、未来に焦点を当てること。目標達成のコツは、とてもシンプルです。
 
 

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