ノートとペン 今週の「コジマ式 変革経営の視点」 代表 小島 主の経営者様向け専門コラム

第54話新たな仕組みを、独自に構築したい社長様へ

コレクター社長の会社も 自前主義社長の会社も 足踏みばかりで変われない
第54話:「新たな仕組みを、独自に構築したい社長様へ」(コレクター社長の会社も 自前主義社長の会社も 足踏みばかりで変われない)

 

■1.二人の社長
  

「とても勉強なったよ。やはり外部の力を活用した方がいいね」
 

ある勉強会を終えて、最前列に座っていた社長様がおっしゃいました。
 

自分だけの視点では、どうしても視野が狭くなってしまいます。だから、毎年新しい先生を見つけて学びの場に参加しているとのこと。とても勉強熱心な社長様です。そして、2年に1度のペースでコンサルティングの依頼をしているそうです。勉強熱心な社長は、とても投資好きな方が多いものです。
 

この外部の力を活用するメリットとデメリットを見てみましょう。
 

メリットは、新たな視点やノウハウを自社に取り込めることです。時間を短縮できます。その一方、デメリットは、社員が受け身になってしまうことです。“自社で新しい仕組みを独自に構築する力”は育ち難くなります。
 

さらに、外部の力を繰り返し導入する場合は、注意が必要です。実は、社員がうんざりしているケースが多いからです。社長の知らないところで「また社長のコレクションが始まった」と愚痴をこぼしています。
 

もちろん建前上は従います。しかし、新たな活動に取り組んだとしても、本気にはなれません。冷めています。すると、結局は新たな視点が自社に定着せず、いつものパターンに戻ってしまいます。
 
 
 

その一方で、次のような社長様もいます。
 

「自分達でやらなければ、決してできるようにならない。自前でやるべき」
 

どれだけ新たな視点やノウハウを手に入れたとしても、結局は自社でできなければ意味がない。だから、社員の中から声が上がるのを待つしかない。社内でプロジェクトを立ち上げ、独自に勉強会を開催したり、改善活動を進めたりしています。とても堅実な社長様です。
 

この内部の力で取り組むメリットとデメリットを見てみましょう。
 

メリットは、自ら考え行動する力が育ちやすいことです。社員の自主性が育ちます。その一方、デメリットは、とにかく時間がかかることです。試行錯誤を繰り返さざるを得ません。また、業界や自社の常識にとらわれ、新たな着眼が取り入れ難くなります。
 

さらに、同様の活動を繰り返し実施している場合は、注意が必要です。社員が往々にしてマンネリ化しているからです。表面上は、小さな改善を繰り返しています。
 

しかし、外部環境を見れば変化の速度は速くなる一方です。気がついたときには、すでに周回遅れ。御社は時代に取り残されてしまうことでしょう。
 
 
 

■2.いずれのケースも変われない
 

コレクター社長の会社は、新たな視点を取り入れているつもりです。しかし、広い視野からみれば、同じレベルでグルグルまわっているだけです。なかなか前に進めません。
 

自前主義の社長の会社は、独自に構築しているつもりです。しかし、広い視野から見れば、同じレベルでグルグルまわっているだけです。なかなか前に進めません。
 

<コレクター社長の会社も、自前主義社長の会社も、足踏みばかりで変われない>
 

つまり、コレクション好きな社長も、自前にこだわる社長も、無限ループから抜けられないものです。社長が期待するほど、成果につながっていません。これが、よくある残念なケースです。
 
 
 
 

■3.新たな仕組みを、独自に構築したい社長様へ
 

<新たな仕組みを独自に構築し戦っていきたい。環境変化を味方につけて成果につなげたい。>
 

多くの社長がこのように願っています。それでは、いったいどうしたら良いのでしょうか。
 
 

コレクター社長の会社は、外部に注目していました。外部の力を頼りにバランスを崩していただけなのです。
 

Aというノウハウを頼りに右にバランスを崩す。次にBというノウハウを頼りに左にバランスを崩す…。このように右へ左へとフラフラしていました。
 

地に足がついておらず、波打ち際でふわふわと流されているようなものです。盲目的に周りに流されていただけです。客観的な視点だけでは、自社は変わりません。
 

自前主義社長の会社は、内部に注目していました。内部の力を頼りにバランスを維持していただけなのです。
 

業界の常識や自社の常識にとらわれて凝り固まっています。かつての規範や基準・ルール、暗黙の考え方や制約、伝統・タブー・習慣・しがらみ、既存の価値観や先入観といったものにとらわれていたのです。
 

地に打ち付けた杭のごとく、環境変化に適応することなく、現在地にとどまり続けるようなものです。視野が狭く自前にこだわり続けていただけです。主観的な視点だけでは、自社は変わりません。
 
 
 

客観的な視点だけでも、主観的な視点だけでも、どちらもバランスが悪いことは言うまでもありません。両方の視点が必要です。同様に、バランスを崩していても、バランスを維持していても、どちらもバランスが悪いものなのです。
 

新たな仕組みを、独自に構築するためには、バランスを良くする必要があります。客観と主観をバランスよく取り入れて、リズム良く前に進まなければなりません。バランスを良くするとは、あえてバランスを崩したり、あえてバランスを維持したり、このサイクルを意図的にまわすということです。
 

従来のパターンから抜け出すためには、意図的に前に進むという『意思』が必要です。ここから先は、『意思』が強くなければ前に進めないのです。ところが、その一方で人間は動物の一種です。神様ではありません。そこまで『意思』が強くないものです。
 

だから、意識して『意思』を育てていく必要があるのです。
 
 
 

■4.我が社の『意思』を育むために
 

すでに十分に『意思』が育った会社様は、自社のみで取り組むことが可能になります。ただし、社長と社員の皆様が、よほど『意思』を育んだうえで、『強靭な意志』になっていなければ難しいことでしょう。
 

ゆえに、『意思』を育むために、外部にいる同志・仲間を見つけてください。それが、経営者仲間でも良いですし、我々のようなコンサルタントでも良いでしょう。これが、自社が前に進むための必要条件です。
 

「何のことやら?」と感じている社長様もいるかもしれません。『意思』を育てるという観点では、かつて経験した部活動を思い出してみてください。部活動の仲間とは、ともにサボることもあれば、ともに高めあうこともしてきたのではないでしょうか。
 

もうすぐ駅伝の季節です。強豪校は、どこも同志が集まり共に支えあうことで、一人でできないことを達成しているのではないでしょうか。その上で大切なことは、新しい視点を取り入れることです。つまり、この関係性を社外の人脈で設ける必要があるのです。
 

自社のみで、社長が一人の力で、目を覚まし続けることは容易ではありません。ふと眠ってしまったら、しばらく眠り続け目を覚ますことはないでしょう。ゆえに、自社が、そして社長ご自身が、盲目的に同じレベルでグルグル回りだしたとき、「おい!目を覚ませよ!」と声をかけてくれる同志を社外に見つけるのです。
 

同志があつまり、同じ方向を目指し、共に前に進むのです。チームであれば、誰かが起きていて、眠った人を起こすことができます。相互にこの役割を果たすのです。この関係性を意図的に設けましょう。
 

社外にいる同志の中に、自社が実現したい方向性をすでに体験した方がいるととても有益です。これから自分達が経験しなければ分からないワナや障害、失敗談から克服方法まで前もって予習ができるからです。武道の世界で、守破離のステップを踏まずに大成する人はいません。初めから独自にやろうとしても形無しになって上手くいきません。先手を打つ社長が、経験者から学ばないなんて小島には信じられません。
 

さぁあなたは社外にどのような同志をもっていますか。そして、これからどのような同志を見つけていきますか。
 

もし「既に社外に同志がいるから大丈夫」と思った社長は、注意をしてください。社外であったとしても、何年も何十年も続いている関係性であれば、単なる遊び仲間になっているケースがほとんどです。それはそれで有益です。ただ、前に進むという観点では、社内の関係性と同様に視野が狭いといえます。新たな着眼も少なく、結局変われないものなのです。無害ならまだしも、ときには足を引っ張ることもあります。
 

理想は、共通の目的を軸に各分野のプロフェッショナルが集まり、プロジェクトを終えたら一旦解散する。必要に応じて、またすぐに集まれる。お互いを認め合い、互いに切磋琢磨できる。こういった関係の同志です。
 

自社の現状と理想の将来を見据え、あなたは今どのような同志と新たな取り組みを開始しますか。年末年始に時間をつくり、じっくりと考えてみてください。
 

 

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